TAjiKA

四代目の日々を綴る日記です。

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”TAjiKA”は、ハンドメイドならではといえる独特の風合いと、アン ティーク鋏のような優美なデザイン、そして申し分のない気持ち良い切れ味をあわせ持った、こだわりの一品に仕上がっています。

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オンリーワン「になる」ことの難しさと、「である」ことの難しさ
2012年12月09日


FBでのリクエストもあり
難しい話を続けることにしました!



タイトル長いので敢えてここでは
書きませんが、まず「になる」こと。

これは皆さんも想像しやすいのでは?

その会社・人にしかできないことを追求して
他の追随を許さない状態。
もしくは、このご時世、不況の煽りで
自然に淘汰され、その業界でそこしか残っていない。
残るだけの技術があった、状態。

うちは、どちらかというと後者。
もちろん、他の職人がしない、できないような
特殊な鋏"ばかり"をやってきていた
変わり者の祖父と父(もちろん私も...(笑))
のおかげで、前者にも当てはまりますが。


ただ、いろんなメディアで
「あそこの技術はオンリーワンだ。」
「真似できない。」
そんな言葉を目にしたりしますが
そんな言葉では片付けられない
途方もない苦労、努力、忍耐・・・
いろんな要素が合わさって
(時には、偶然から生まれることも...)
ようやく、出来上がるんですよね。


それは、たぶん経験しないと分からないこと。
そして、一度出来上がったからといって
そこで終わりではなく、そこからさらに
より早く、より正確に、より良いものを作るために
努力・工夫は続いていくんです。
現に、父は一度もこれでいいと思ったことはないようで
それは耳にたこができるくらい聞いているし
今でも言われます。




「今のままでいいと思うな。もっといい方法があると思え。」




職人に定年はありません。
求めれば求めるだけ成長することができます。
いつまで経っても、きっとこの気持ちは忘れずにいます。




前半で既にちょっと長くなりましたが
次に、「である」ことの難しさ。
これは上に書いた、技術的なこともそうですが
(常に成長しなければ、追いつかれる。)
どちらかというと、業界やそれを取り巻く話を少し。


オンリーワン(業界で1社の状態の場合)
になるということは、すごいこと!
というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
確かに、そこに至る経緯、残るだけの技術力が
あることは素晴らしいのですが
それを維持していくのはものすごく大変。

技術は、自分さえしっかりしていれば
成長できるのですが、会社として存続していくには
道具や専用の機械、その消耗品など
必要なものが沢山あります。
それを作っている会社もあるわけで
例えば、今まで100社あった業界が
10社になってしまったとしたら
その道具を作っている会社は
経営が難しくなりますよね?

鋏に限らず地場産業は特に
設備投資の時代は随分前に終わり
機械を作っていた会社はもうなくなり
自分でできる場合を除いて、修理もできない状態。
こういう状態では、将来的に安定して
製造を続けていくことは少し難しい。

もちろん、特注をすれば
作ってくれなくはないですが
その分、かなり費用がかかったり
対応してくれない所も多いでしょう。

そういう観点から考えると
「である」状態を続けることは難しく
ある程度、業界として数が残り
道具を必要とする会社もある程度あり
技術的にも切磋琢磨できる環境があった方が
本当は良いのかもしれません。


現状、鋏業界はどんどん廃業しており
日本の産地である、新潟・東京・小野三木
の裁鋏の産地で私の世代の跡継ぎは
一人も居ません。
(※全国を回っておられる刃物の材料屋さんからの
情報ですので、おそらく合っていると思います。
もしいらっしゃったら、それはそれで嬉しいことなのですが。)
まだ高齢でも現役の方がいるので良いですが
うち1社になれば、材料を買うのだって
最低ロットも増えるでしょうし
消耗品も作らなくなるかもしれません。。
そのために、先を見越していろんなものを
揃えておかなければならないのですが。。

そういうことも、安定供給していくため
価格変更に踏み切らざるを得ない原因の一つです。




いろいろ書きましたが
一口に「オンリーワン」と言っても
そうなるために、それで在り続けるためには
いろんなハードルがあることを
ご理解頂いていれば、メディアなどで
目にされた時、言葉だけ・表面だけを
見るのではなく、少し見方も変わるかもしれません。

これは「大変なんです」ということを
押し付けたいわけではなく
こうした背景を知ることで
作られた物により愛情が持てたり
大事に永く使ってもらえるきっかけに
なれば良いなと思うのです。




一人でも多くの皆様に想いが伝わりますように。


daisuke_photo.jpg


次回もちょっとこんな話を。
その後、オススメ本を一気にドバーっと。
ではでは